学習工学研究室:平嶋宗
研究トピック1:二重三角図
二重三角図
算数文章題を文章題を二つの存在量と一つの関係量の構成としてモデル化した三量命題モデルの拡張.算数文章題場面に存在する乗除を網羅的・組織的に表現.乗法,等分除,包含除,小さくなる掛け算,大きくなる割り算,および逆関係量の必然性と相互の関係を可視化
二重三角図組立課題
5年生3学期末に行った二重三角図に関する2時限の後,児童に与えた課題
学習者の組み立てた二重三角図と二重三角図からの立式
23名中17名が二つの関係量を正し組み立てることができ,そのうち15名が6つの正しい立式ができた
〇関連文献
平嶋宗,林田雄樹(2024.6).算数文章題場面における演算関係の統合的スキーマ ~ 二重三角図とその授業実践 ~,電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学
平嶋宗. (2024.5). 量間の演算関係を対象とした算数文章題における乗除の統合的理解ための二重三角スキーマ: Worked Example としての知識モデル外在化の試み. 電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学, 124(18), 24-31.
平嶋宗. "算数文章題乗除の統合的解釈と学習課題化." 教育システム情報学会研究会報告 38, no. 4 (2023): 16-23.
研究トピック2:再構成型概念マップ:キットビルド概念マップシステム
三者(教授者/伝達者,学習者/参加者,システム)の共有理解を促進・評価を可能にする仕組み.
(1)共有理解マップ作成:教師が授業において児童と共有したい理解を概念マップで明示的に表現する
(2)部品化:概念マップをノードとリンクに部品化する
(3)部品からの再構成:児童が概念マップを部品から組み立てる.この組立ては,必然的に個々の児童の理解に基づいたものとなる.教師の行った授業・情報提供は,部品からの組立てが可能なものとなっている必要がある.
(4)マップの重畳による診断:元マップと再構成マップを重畳すると,理解の差分が可視化される.複数の再構成マップを重畳すると,グループとしての理解が可視化される.
(優位性1)継続的学習のための形成的評価(formative assessment)
(優位性2)命題レベルでの自動精密診断の実現
(優位性3)部品提供としての学習目標に向けた思考の方向付け
(優位性4)部品の提供としての認知負荷の軽減とメタ認知の促進
(優位性5)他者理解との相対化によるメタ認知の促進
〇関連文献
・ Framework of kit-build concept map for automatic diagnosis and its preliminary use
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学習工学研究室では,人工知能,心理学,学習科学,教育工学,eLearningなどを基盤として「ICTを用いた人の学習を促進」を対象とした学際的な研究領域としての「学習工学(Learning Engineering,ラーニングエンジニアリング)」の創成を目指して活動しています.
「より深く考え,理解し,習得する」ことの促進・支援方法を考案し,モデル化・システム化,そして実装と実証に取り組んでいます.対象としては,学校教育が中心ですが,それに限らず,あらゆる人の知的活動がその促進・支援の対象となります.また,知的活動の対象となる事柄の分析・構造化も促進・支援を考える上での基盤として重視しています.
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Information
2013/02/08に、広島大学附属小学校の研究評議会にて本研究室で開発したシステムを利用した授業発表が行われました。
その際に配布したパンフレットを掲載しています。
また、本研究室で開発している各種システムについてのお問い合わせは以下のメールアドレスまでご連絡下さい.よろしくお願いいたします.
・パンフレット
・連絡先メールアドレス(atを@にしてください)
info at lel.hiroshima-u.ac.jp
またシステムの情報は下記Announcementのサイトで順次公開していく予定です。
Announcement