yoshiaki.morishita

[所属]

広島大学大学院工学研究科情報工学専攻

【研究テーマ名】

概念地図を用いた英文読解状態の相互表明の支援

【研究概要】

本研究では、英文をどのように読解したのかを概念地図を用いて表現し、相互に表明し合う活動と、その支援システムを提案する。

具体的には、

1)1つの英文を複数の学習者が個別に読解し

2)どのように読解したのかを状態を反映した概念地図を作成した後で

3)グループディスカッションを通して、英文をどのように読解したのか、

それぞれの概念地図を提示して表明しあうとともに、それぞれの異同を確認しながら

4)読解状態を修正したり、読解に必要な知識を共有したり洗練する学習活動である。

概念地図とは、概念とそれらの関係により構成される意味ネットワークである。

本研究では、学習者が英文をどのように読み解いたかを視覚的に表すために作成する。

学習者間で概念地図を比較しやすいように、読解すべき英文の内容を表現する上で重要な命題やキーワードを、

概念地図の構成要素として教授者が予め抽出しておく。

学習者はそれらを組み合わせていくことで、概念地図を作成する。

グループディスカッションにおける学習者のグルーピングは、作成された概念地図の類似度に基づいて行われる。

概念地図の作成や、学習者のグルーピングを助けるために、支援システムを開発した。

本論文では、概念地図を用いて英文読解を支援する方法論とそれに基づいて開発した支援システム、大学の授業で実践した事例について述べる。

【研究詳細】

【研究実績】

○森下善明, 舟生日出男, 平嶋宗 (2009), 概念地図を用いた英文読解支援, 教育システム情報学会第34回全国大会講演論文集, pp.392-393.

【調査文献リスト】

○Carrell, L.P. (1989) “Metacognitive awareness and second language reading”. Modern Language Journal, 73, pp.121-134

○Gernsbacher, M.A. (1990) “Language comprehension as structure building”, Lawrence Erlbaum, Hillsdale, N.J.

○村野井仁, 千葉元信, 畑中孝實 (2002) “実践的英語科教育法”, 成美堂, 東京.

○Novak, J.D. & Gowin, D.B. (1984) “Learning How to Learn”,Cambridge University Press, 1984, (福岡敏行, 弓野憲一監訳, “子どもが学ぶ新しい学習法-概念地図によるメタ学習-”, 東洋館出版社, 1992)

○大木俊英 (2009) “日本人高校生と大学生の英文読解におけるストラテジーの認識の違いについて”, 白鴎大学論集, 24(1), pp.153-174.

○奥村晴彦著 (1991) “C言語による最新アルゴリズム事典”, 技術評論社, 東京.

○小野尚美 (1996) “英文読解の授業でいかにディスカッションを効果的にするか”, JACET全国大会要綱, 35, pp.339-342.

○鈴木満, 猪俣敦夫, 村越広享, 東条敏, 落水浩一朗 (2001) “コンセプトマップを用いた電子教材の評価手法の提案”, 信学技報 ET2001-7, 101(41), pp.41-48.

○天満美智子他(津田塾大学言語文化研究所読解研究グループ)(1992) “学習者中心の英語読解指導”, 大修館書店, 東京.

○徳永健伸著 (2000) “情報検索と言語処理”, 東京大学出版会, 東京.

○卯城祐司 (1998) “Semantic Mappingを用いた英文読解指導の可能性: 郡部校生のスキーマをモデルとして”, 僻地教育研究, 52, pp.129-136.

○山﨑和也, 福田裕之, 平嶋宗, 舟生日出男 (2009) “Kit-Build方式による概念マップのインタラクティブ化”, 人工知能学会研究会資料SIG-ALST-A803, pp.59-64.